ジェイクールのスタッフ雑記

第18回 京急将棋まつり(2016)の二日目と三日目を観てきたのです!

はい、どうもこんにちは。
今年も大好きな京急将棋まつりを観に行ってきたので、
サラサラと感想を書いて行こうじゃないですか。

今回は三日間のうち、二日目の午後と三日目の午後を観てきました。
本当は初日もめちゃくちゃ行きたかったんですけど、
お盆休み前に調整が出来ず、少しお仕事の必要があり断念。

さっきプログラムを改めて確認したら、香川さんは対局1局に
聞き手が2局と、流石の中村修九段な構成でした。
しかも森内さんと永瀬君の特選対局は中村さん解説、香川さん聞き手って
これ、絶対面白いやつじゃないですかー。

よし、時よ戻れっ。
早めにプログラムを確認して、初日も行けるように調整でしたなあ(反省)

ちなみに三日目に勝俣さんが初日の特選対局の話にもちょこっと触れて、
先手の森内さんが何と藤井システムを指したそうな(笑

んで、まずは二日目の午後。
「なぜ午前から行かないのじゃ!」という早速のツッコミに答えると、
お盆休みに入ったので、リオの某イベントを朝方まで観ていると、
何というか、あれですね。起きれないですw

二日目は『佐藤新名人と佐藤さん大集合』となっており、
佐藤天彦名人+6人の佐藤さんがズラリ。

佐藤さん大集合自体は4年前にも行った企画で、
このまま五輪イヤーに開催されるイベントとして定着するか否か。
高橋 和さんが司会を務めていて、聞き心地良いですなー。

午後イチは『美女と野獣再び』というタイトルで、
佐藤 紳哉七段と室谷 由紀女流二段が被りものをして対局。
もちろん紳哉さんは被ってる上に被ってます(笑

そちらを横目にイベント期間中は毎日出題される
『詰め将棋」と『次の一手』を確認。詰め将棋は七手詰めでした。

詰め将棋らしい手順でしたが、急所の一手がパッと見つけられず、
なかなか時間かかっちゃいましたな。まあ、解けたから良し。

続けて次の一手を考えていたら、隣のおじいさんに話しかけられて、
「この手だと思うんだけど、こうなってこうなって」と読み筋に
感想を求められる展開に。

「手抜きが出来そうな手なので、もっと良い手がありそうな~」と
正直な感想を述べるぐらいしか出来なかったですなあ。
正解はどれなんだろう。

駒が4枚利いているところに歩を成る手があって、
「これは後で読むかー」と後回しにしたのですが、
結局、他の手を一通り考えた後に読んでみたら、
これが正解っぽく「そのパターンか!」って感じでしたね~。

飛車を切って角を取る手があっただけに、
それを活かすた有効手を探しに行くとハマる問題って感じでした。

美女と野獣対決は紳哉さんが宣言通り、五輪のQちゃんリスペクトで、
ラストスパートのタイミングでヅラを投げてましたなw

3時からの『駒姫名人戦 決勝戦』はチラチラ見つつ、会場を回ったり、
売店を見たり。「今年も盛況だなあ」と嬉しい限り。
ニコ生で将棋コンテンツを扱う機会が多くなり、その影響を感じたような、
いつも通りのような。老若男女が楽しんでたら、とても良いですよね。

5時。特選対局として佐藤 天彦名人と佐藤 康光九段の対局が始まりました。
「どちらが後手でも面白そうだなあ」と思っていましたが、今回は名人が先手。

解説聞き手は先ほどの美女と野獣コンビで、紳哉さんが「これさっきと違うヅラ
なんですよ」と早速ヅラトークが始まりました。
ヅラは似たのも多いらしいですが、何と10種類ぐらい持っているらしいです。
完全に芸人さんですがな(笑

室谷さんが「ヅラを外すパターンはどんなのがあるんですか」と続けると、
幾つか教えてくれて「今日は新しいパターンで行くんで」と言いつつ、
たびたび室谷さんに「絶対にヅラを取っちゃダメだよ」と振りまくってましたw

戦型は後手の一手損角換わりから、期待に応えてのダイレクト向かい飛車。
後手が積極的な駒組みで、居玉のまま4四と6四に銀が出るという康光さんらしい
序盤となり、最終的には飛車が下段へ引き、玉は中住まいに両サイドに金がいる囲いに。

先手は銀冠から5六に銀が腰掛けています。
一貫した流れで、後手が5五銀とぶつける形から攻勢に出て、先手が受ける展開に。

後手の攻めが上手いように見えましたが、そこは流石の名人というか、
粘り強い受けで、先手からの反撃が始まりました。

横からの攻めに対して後手は金底の歩で応戦。
からの、更にその横に金底の歩。すごい絵面ですなw

「金底の歩岩よりも固し」という格言がありますが、
「2つ並んだらどうしましょう」と感想戦でも話してましたね(笑
先手は歩が使える攻めでは無かったので、これが固いかたい。

駒交換で金は2枚剥がしましたが、歩が2枚残っている状態に加えて、
気が付いたら、今度は銀が3枚置かれていて、何でしょうこの要塞はw

康光さんらしい「負けないぞ」って粘りが生で観れて、楽しいですなあ。
これを一手30秒で攻略しなくては行けない先手を考えると眩暈がしますなっ。

と思っていたら、先手玉がスルスルっと中央中段付近に。
これは入玉狙いでしょう。「後手玉に迫れるか」と勝負から一転、
「先手玉の入玉を阻止できるか」という展開に。

ちなみに紳哉さんのヅラは3回目の振り辺りで室谷さんがしっかり
外してあげてました(笑

先手玉の進行を阻む後手の金打ちに、先手がこの金に対して
ただ捨ての銀打ちで進路確保をした手には、康光さんが苦笑いしていたのが
印象的でしたねー。入玉なるか。

そして、遂に先手玉は入玉を達成。
焦点は後手も入玉を目指すか、というところでしたが、
そこは康光さんが大人の配慮で、ここで投了となりました。

最後にアナウンスが無かったので手数は不明ですが、
おそらく160手は超えていたのではないでしょうか。
見応えのある熱戦となり、大満足でした。

二日目の話おしまい。
既になかなか書いているので記事を分けようか迷いますが、
このまま書いちゃいますか。

という訳で続けて三日目午後の話。
午後イチは『プレゼン対局』という企画をやっていて、
スタートが見れなかったので、一部不明なのですが、
おそらく20手で好きに囲った形を提示して、採用された形同士で
対戦という感じだったのかな。

先手は上村 亘四段でスズメ刺しの布陣。後手は瀬川 晶司五段で、
1三に角が出た形の中飛車となっていました。
解説は渡辺 明竜王、聞き手が中村 真梨花女流三段。

将棋としては布陣の顔を立てると形勢を損なってしまう展開となり、
先手のロケットは日の目を見る事なく、という運びとなり、
途中から「これは企画がちょっとね~」って感じの盛り上がりへ。

まあ、この対局に関しては渡辺さんの軽快なトークが面白すぎででしょう。
いつも面白いんですけど、こーゆーイベントの時のトークは一段と面白い。

途中、米長前会長と、ある会社のお偉いさんのとこへ指導対局に行った話が
始まって、話の中で「秒読みの中だと話しづらいので先に話しておけば
良かったですね~」と言った場面があって、すると・・・。

中村 修九段がマイクを握り「一旦対局を止めて話を聞きましょう!」という
イベントらしい神ジャッジで話を聞く流れになりました(笑
いやあ、終始トークが面白くて、めちゃくちゃ楽しかったです。

3時からの対局は甲斐 智美女流五段とプレゼン対局の敗者。
でしたが、この企画は少し前に中村 修九段からアナウンスがあり、
「企画倒れの責任を取って自分が対局します!」と対局者変更に。

というプロレスだったのですが、対局前にマイクを向けられた
甲斐さんが「朝、対局者の変更を告げられて~」とネタバレw
カオスな感じがとても良いです。

対する修さんは横動きという不自然な動きで入場してくると、
マイクの後に公開された背中には、ガムテで留めた紙に
「加藤流棒銀で戦います!」という宣言が力強く明記されていました。

解説は中村 太地六段、聞き手は山口 恵梨子女流二段。
鉄板の解説聞き手というか、こちらも良かったですね~。
太地君の爽やかさとエリリンのいじっていくスタイルが見れて満足っ。

対局の方は、先手の甲斐さんにも棒銀宣言が見えていたのか、聞こえていたのか、
5六歩を突いて中飛車を採用。棒銀宣言の後手は、ちょっと上手い工夫で、
すぐに棒銀とは行かずに7三銀で保留して駒組みを進めました。

制約(?)のある後手に対して、先手が展開する形となり、
やや有利に見えましたが、角を抑え込む後手の銀打ちがとても良い手に見え、
見応えのある中盤へ。

途中、千日手になりそうな局面が4回もあり、
太地君は「千日手の解説ばっかりしてますね!」と笑ってました。

攻め合いになる局面もありましたが、終盤は先手の攻め、後手の受けという
構図となり、受ける青春が堪能できましたね~。
エリリンが『受ける青春』は「青春を楽しんだのか、楽しめなかったのか」
と突っ込んでいたのも面白かったですw

勝負は甲斐さんが見事に寄せきって勝利。
なお、宣言していた加藤流棒銀については、飛車が6筋に行ったり、
7三の銀も千日手を打破するために6四に行ったりと、
プレゼン企画に続いて「棋士は盤の前に座ると」って感じで、
実践的な流れとなりました。しゃんしゃん。

終局後から次の特選対局まで時間があったので、
ここで人生で初めてサインをもらうことを決めました。

棋士であれば将棋、スポーツ選手であれば、そのプレイが好きなので、
あまりサインというものに興味がなかったり、置く場所の問題もありで、
これまでは一度ももらったことが無かったんですよね~。

ただ、棋士の揮毫は見た目や好きな内容のモノは
「いいかも~」とは思ってましたけどね。藤井九段の『涓滴』とか好きです。

さて、ここで問題。
誰のサインをもらったでしょう。

正解は・・。

渡辺竜王・・・

DSC_0057

の奥さんである漫画家の伊奈めぐみさんのサインをもらいましたー(パチパチ)
漫画『将棋の渡辺くん』の2巻が最近発売になったのを記念してのようですね。

漫画自体は知っていて、面白いという評判も聞いていたので、
「機会があれば」と思っていたところ「これが機会でしょ」って事で、
1巻を購入してサインの列に並びながら読みよみ。

いやあ、面白かったですね~。かなり好みです。
もう少し丁寧に表現すると楽しい漫画です。
絵、雰囲気、セリフ、展開、すごい好みです(笑

自身もカワイイモノが好きなので、
親子でぬいぐるみで話をしているのとか超好きでw
本当は内容の一つひとつを取り上げて行きたいところですが、
読む楽しみを奪わないように自重なのです。

サインと握手をして頂いたのですが、
とても感じの良い方で、一目でも応援したくなる人柄でしたねえ。

好きな漫画が一つ増えたのはとても嬉しいことで、
連載が長く続くように応援したいと思います。
今度、本屋さんに行ったときに2巻を買いましょう。

サインには宛名必須だったので、当然写真にも。
別に匿名で仕事してないですしねー。
ちなみに風評被害を避けておくと雑記に連投されている
Sミュージックは違うSさんです。これ大事。

そして5時。特選対局としては渡辺 明竜王と中村 太地六段の対局が始まりました。
先手の渡辺さんは中飛車を採用。後手では見かけますが、先手ではレアですよね。
解説さんは勝又さん、聞き手は甲斐さん。勝又さんは解説の運びが上手いですなあ。

将棋は先手が主導権を握って進めている印象でしたが、中盤から応酬が激しくなり、
先手は角を切って金をとり、ガジっていくような展開に。
これには勝又さんが「渡辺さんは細い攻めを繋がせたら右に出る人はいないですかね~」
と盛り上げます。

ただ、後手の手も急所を突いていて、先手陣も火がついてきました。
見応えのある攻防が続く中、「冴えない感じなので」と先手が避けて指した手が悪手。

これをチャンス一閃、後手は角切りからの寄せを見事に決めて、
太地君の勝ちとなりました。渡辺さんは開口一番「失礼しましたっ」って(笑

終盤は両対局者共に一手30秒であんな難しい局面を慌てるそぶりもなく、
指しているのは「流石だなあ」と思いましたねえ。

マイクを持った感想戦では、先手中飛車について振られると
「これから中飛車で生きていくんで!」と。もう面白いとしかないw

勝又さんが「ツイッターとかで拡散されますよ~」と突っ込むと、
「どんどん誤情報を流してください!」とフリーダム。
次の公式戦を楽しみにしておきましょう。

締めにはいつも通り中村 修九段の挨拶があり、
「来年も開催しますので、帰りに京急百貨店で惣菜などを買って行ってもらえたら」と。
今年も面白いイベント盛りだくさんで、本当に感謝しかないですよね。

ありがとうございました!
惣菜は買いませんでしたが、最近発売されたのを知った
『世界樹の迷宮V』を買わせて頂きましたよっと。

また来年の同イベントを楽しみにこの記事はおしまいなのであります。
5000文字を完走してくれたことに小さく感謝。